誰も悪くない世界

◎「私にも悪い部分があるんですけど」

◎「それはまあ自分も悪いんですけど」

◎「その上司が許せなくて」

あるいは、以前大学時代のゼミの後輩と飲んでいたとき、このような言葉が出てきました。

◎「結局今の日本の教育制度が悪い」

◎「結局今の政治が悪い」

◎「親が悪い」

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「誰が悪いのか」という視点は、メディアとかテレビをみていれば自然と育つことでしょう。

ニュースやワイドショーでひたすら繰り返されるのは、要するに「誰が悪いのか」という話だったりするのです。

その悪者を設定しやすいテーマが、最近で言えば不倫ということなのでしょうし、政治で言えば、叩かれている誰かの言動、ということになるのでしょう。

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そして何を隠そう苦しい他人軸人生を生きていたとき、僕はこの「悪者設定」と「悪者退治」の達人でした。

自分は決して悪者の立場に立たされないように善人の立場を取るようにしていました。

ときには、正義のヒーローのように

ときには、悲劇のヒーローのように。

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人間心理学の講座「センターピース」と出会って、そのような考え方が一変しました。

センターピースでは、「全肯定」というコンセプトのもと、すべての概念を肯定していく練習をするのです。

そうすると人生から否定が減っていき、自分のことも、他人のことも、心から肯定できるようになりました。

「誰が悪いか」という質問自体が出なくなりました。

自分を責めることがなくなり、他人を責めることがなくなり、仕組みを改善し、望む結果を手にするようになりました。

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「誰が悪いのか」

それを追求する世界も、楽しいし、それ自体も悪いものではありません。

ただそれよりももっと素晴らしい世界がある。

それが

「誰も悪くない」

という前提で生きる世界です。

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誰も悪くないとしたら、なぜこの問題が起きたのだろう？ 

個人のレベルの問題も、国のレベルの問題も、上記の問いが新しい一つの答えをもたらします。

なぜ問題が起きたのか。

それは、誰かが最初に「怖れた」のです。

怖れをなんとかしたいから、対処しようとした。

対処された側も、それによって「怖れた」のです。

対処された側も怖れをなんとかしたいから、対処しようとした。

怖れをなんとかしようとする合戦です。

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でもその合戦には、真の勝者は生まれませんでした。

真の勝者は、自分の怖れが誤解だったことに気づき、盾も鉾も下ろしたその人間だったのです。

誰も悪者なんていないという前提で、世界を見る人が増えたら、どんな世界になるのでしょうか。

僕は、その世界を見てみたいと思ってこの活動を続けています。

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「地球上で、怖れが存在できる場所。それは怖れを感じている人の頭の中だけです。」

「真実の世界はいつも優しいのです。」

（アラン・コーエン） 

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